【開催報告】建築学会2021PD:ポストコロナに向けての観光地域の再生戦略

本PDは、9月7日火13:30〜17:00に開催されました。司会は、伊藤弘(筑波大学)、副司会は、山崎嵩拓(神戸芸術工科大学)です。以下、その概要についてです。

[主旨説明]岡村祐(東京都立大学)

オーバーツーリズム問題をはじめ、国内外で持続可能な観光地形成への関心が高まっているさなか起きたのが新型コロナのパンデミックである。これまで小委員会が議論してきた地域観光プランニングの考え方をもとにコロナ禍における観光動向を捉えたい。本PDでは、①観光地域の現場で実際何が起きているのか、②国や地域がどのような戦略を持ちながら「復旧期」の取り組みを行っているのか、③観光の概念がいかに再構築されていくのかの3点に関して議論を深めたい。

[主題解説]

1)コロナ禍における観光地域の取り組み|佐野浩祥(東洋大学)コロナ禍の地域観光の概況としては、大幅な観光客の減少により、「偏在(空間、時間、客層)」と「分断(住民と観光客、観光事業者間)」が起こっているのではないか。

2)事例報告1)山口県長門湯本温泉|木村隼斗(長門湯本温泉まち株式会社)長門湯本温泉のまちづくりの取組みの説明がなされた。ビジョンと運営マネジメントを考える重要性や住民と連携した公共空間の利活用も提起された。

3)事例報告2)三重県鳥羽市|江崎貴久(海島遊民くらぶ)観光を核とした地域内のエコシステムをいかに作り出すかが重要である。また、コロナ禍での地域の危機対策としてのサブシステムとして観光が機能するのではないか。

4)オーバーツーリズムから学ぶ持続可能な観光地域|阿部大輔(龍谷大学)COVID-19による観光活動の影響(雇用喪失、テーマパーク化した都市の空洞化等)の紹介。経済回復策として、観光を使う際、オーパーツーリズムの教訓(都市計画的視点(土地利用、住宅問題等))はどう活かされるのか。

5)ポストコロナを見据えた観光政策|片山敏宏(観光庁)今後の観光の方向性(観光の高付加価値化・稼ぐ地域の実現、インバウンドの地方誘客の促進、観光のレジリエンス強化、新しい交流人口づくり)の提示。地域との関係性の強化による国内観光需要の掘り起こしや交流人口から関係人口へ、そのための支援を考えたい。

6)若者の観光への意識から見る観光地域再生の可能性|西川亮(立教大学)ポストコロナの地域の観光戦略を、観光客はどう思っているのか。とりわけ、観光客ともなり得る大学生の意識はどう変化したのかアンケート調査をもとに様々な角度より報告がなされた。

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[討論]司会:川原晋(東京都立大学)

コロナ禍の経験から、観光を活かした地域再生概念の再構築に向けて議論。観光客の一部が地域に貢献する粘着力の強い関係人口になるには、楽しい観光から地域のしごと支援観光まで、観光客が地域に関わる段階性を意識した観光コンテンツを用意する重要性を確認。生業観光はこれに親和性がある。また、観光業と他産業・事業者との地域内連携の意義は、ビジネス・エコシステムとして大きな収益構造を生む方向と、広域流通が止まるような非常時における地域経済循環のサブシステムとして観光を位置づける方向があることを確認した。このとき、宿泊施設は観光に限らない地域のインフラとして重要。

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[まとめ]永瀬節治(和歌山大学)

観光行動と観光地域のあり方を、「マスツーリズム」「オルタナティブツーリズム」「事業者・コミュニティの視点から<旅前><旅中><旅後>で整理した。また、都市計画・まちづくり分野からの貢献のあり方を、「観光を取り巻く経済・社会・環境を統合的に捉える視点」「公共空間のマネジメント/エリアマネジメントとの接続」「公民連携、民民連携の実質化」の点よりまとめた。

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